紅玉屋日記 紅玉屋の今をお伝えします

果実も自慢したいところですが、葉の美しさを自慢したい!栄養素の過剰も欠乏も無く、完璧と言ってもいいほどの美しさ!この葉から生産される炭水化物が実になるのですから美味しくない訳が無い!紅玉やグラニースミスなどりんごの果実や木質部、来年の花芽などは葉の光合成から作られる炭水化物で構成されています。農作物は炭素(CO2)と水素(H2O)の化合物で商売をしておりますので光合成は現代の錬金術といっても過言ではありません。光合成を効率よく行うために必要な要素として鉄や銅、亜鉛、マンガンなどといった金属が必要になります。他にもカルシウム、リン酸、カリウムなど。細かいところではホウ素、モリブデン、イオウなど。これらの成分を夏場の潅水ついでに畑に補給します。また光合成の生産物となる炭水化物、アミノ酸類も畑に補給します。光合成で作られるものを散布しても意味ないじゃないか、などという考え方もありますが私の場合は100点の品物を120点、150点、200点にするべく畑にアミノ酸類を補給しております。アミノ酸類を補給した畑とそうでない畑の収穫物、例えば紅玉やグラニースミスなどは食べ比べてみると味の違いに驚きます。これは金属肥料も同様に補給していない畑は味が劣ります。また外見にも違いがあり、アミノ酸類や金属肥料を補給されている畑から取れた紅玉やグラニースミスなどは表面に艶が見られます。それこそりんごが輝いて見えるほどに。

今期はアミノ酸類の中でも重要な働きをするクエン酸とプロリンを重点的に補給しています。プロリンは花芽形成にも重要な成分なのでこちらはむしろ来年を視野に入れての補給となります。野菜と違い、りんごやぶどうは今年の収穫分を作りながら来期の準備もしなければなりません。紅玉やグラニースミスは翌年分の蓄えがおろそかになっていると見事に病気が大発生してしまいます。減農薬の観点からも翌年の養分はしっかりと貯めておかねばなりません。

十分に養分を蓄えた花芽からは品質の良いものが収穫でき、また翌年の花芽も比較的、状態の良いものが作れます。その花芽にしっかりと金属とアミノ酸類を与えていくとまた品質の良いものが収穫でき、さらに質の良い花芽ができます。その花芽にしっかりと〜繰り返していくとどこかで減農薬が無農薬に切り替えられるのではないかと考えております。奇跡というものは地道な積み重ねから発生する偶然です。その偶然と遭遇してしまった時にはそれまでの経緯を本にまとめて映画化すると良いなぁ。

 

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